Note291 スカラー光子とクーロン力の関係（１光子の４状態について）（２）

ところでB場は場の方程式から直接以下のような条件を満たす公式が示されています（場の量子論（中西襄著）P119 (72～74))。

中西ロートラップ理論での補助条件は

ですが。次式を計算してみると、

従って


となってGuptaの補助条が自然に出てきます。つまりB場を導入して補助条件はそのB場の方に押し付けてしまえばスッキリするという事でしょう。そういう事で独立な１光子の状態は次の４状態になる。

a(k, 1), a(k,2) は光子の運動方向と垂直、つまり横波を表している。これは通常の光子（観測される光子）と完全に一致している。またa(k,0)、a(k,3)の成分だが、

となってbとa(k,0)は同等なものと判ります。またa(k,0)は時間方向の光子であり、time-like光子あるいはスカラー光子と呼ばれます。一方a(k,3)は光子の運動方向の波である事から縦波光子と呼ばれます。

こうして次のような関連がわかります。

a(k,0)≒b(k) はスカラー光子、
a(k,1),a(k,2)は横波光子,
a(k,3)は縦波光子。

そして補助条件によって縦波光子は排除されます。そしてスカラー光子は

によって観測される確率は正確にゼロです。

そういう訳で

補助条件によってスカラー光子と縦波光子は一緒に閉じ込められて観測されることは無い。

という事だろう。