第25話 量子ゼノン効果(見ている湯は沸かない)
頻繁な測定を行うと,測定による波束の収縮によって,量子力学的な時間的な動きが抑制されるという予想をMisra とSudarshanが行いました。今日これを(quantum Zeno paradox)
量子ゼノンパラドクスと呼ばれています。これは観測を頻繁に行うと状態変化が凍結してしまうという現象です。なのでこの現象は「番犬効果 ( watchdog effect )」「見ている湯は沸かない ( watched pot effect )」とも言われるようです。この予想は実験で確認されています。さらに検証実験も多く行われて実際に確認されています。なのでこの現象はパラドクスではなく一つの物理現象(効果)として量子ゼノン効果QZE(quantum zeno effect)と呼ばれています。ただし、量子ゼノンパラドクスという言葉で説明される場合もあるので注意したい。また、量子ゼノン効果は状態収縮を必ずしも必要とはせずに、同様の効果が認められるという指摘もあるようです。
量子ゼノンパラドクスと呼ばれています。これは観測を頻繁に行うと状態変化が凍結してしまうという現象です。なのでこの現象は「番犬効果 ( watchdog effect )」「見ている湯は沸かない ( watched pot effect )」とも言われるようです。この予想は実験で確認されています。さらに検証実験も多く行われて実際に確認されています。なのでこの現象はパラドクスではなく一つの物理現象(効果)として量子ゼノン効果QZE(quantum zeno effect)と呼ばれています。ただし、量子ゼノンパラドクスという言葉で説明される場合もあるので注意したい。また、量子ゼノン効果は状態収縮を必ずしも必要とはせずに、同様の効果が認められるという指摘もあるようです。
初期状態 t = 0 における状態を
とすると、t秒後も同じ状態にある確率(この時の遷移確率)は次のようになる。
ある間隔で観測を繰り返す。T時間の間にn回の観測を連続して行った場合の状態遷移の確率は
となる。このnを限りなく多く行うと(つまり頻繁に観測を行うと)理想的には
となって確率は1に限りなく近づく事がわかる。つまり
とすると、t秒後も同じ状態にある確率(この時の遷移確率)は次のようになる。
ある間隔で観測を繰り返す。T時間の間にn回の観測を連続して行った場合の状態遷移の確率は
となる。このnを限りなく多く行うと(つまり頻繁に観測を行うと)理想的には
となって確率は1に限りなく近づく事がわかる。つまり
観測を頻繁に行うと状態の変化が凍結してしまい変化が起きなくなって行く事がわかる。注:QZEが現れるのは原子のレベルでも4.1e-15秒という凄まじい瞬時とも言うべき間隔の世界の話なのでトンネル効果と同様に実際には見ている湯は沸かない 等と言う事は無い。
●メモ(もう一つの様式の導出)
という様式で説明される場合もあります。これもほぼ同様に導出できます。
ここで、
に注意すると、
を得ます。
という様式で説明される場合もあります。これもほぼ同様に導出できます。
ここで、
に注意すると、
を得ます。