Note59 曲率形式(3)曲率だらけ?

今日は先日の素朴な疑問、曲率テンソルと曲率形式。同じ「曲率」と言っているわけだからやっぱり無関係では無いだろうというわけで。

そもそも曲率はベクトルの平行移動で一周したときのズレという幾何学的な意味があった。
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その結果
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という曲率テンソルという量がズレの因子として現れた。http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/20830926.html
一方、曲率形式もベクトルの平行移動で一周したときのズレがファイバーに沿った垂直成分という幾何学的な意味があった。http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/21504505.html
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さらに線形接続では曲率テンソル場として次のような物が現れる。「現代微分幾何入門 野水克己 著」p78。
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それと(上式の成分表示(局所表示))、
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一方、構造群Gが線形Lie群の場合は曲率形式は
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でした。この時点で4つの異なる「曲率xxx」が存在する。これらは「曲率」という名が付いている以上何らかの関係が在るに違いないはずだ。そしてその一つの関係は次のような関係で結ばれているようです。(※1)
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これは、外積の定義が「多様体入門 松島与三 著」の定義の場合は次のような印象的な関係で結ばれている事が分かる。
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(※1)
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従って、
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または、
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さらにこの関係は外積の定義が「多様体入門 松島与三 著」の定義の場合は次のような印象的な関係で結ばれている事が分かる。
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さらに、曲率テンソル場の基底を局所表示して次のようにテンソル場を定義する
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この時、曲率テンソル場を局所表示は、
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これを根気良く計算すると、(線形接続の共変微分の明示的な式を使うと)
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となって最初の曲率テンソルの式と一致する。

こうして、その起源は曲率形式Ωにある。なのでどれも「曲率」と言って良いわけだ。
くだらない疑問だったかも知れないが何となく理由は納得できた。

残りは、
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という関係だが、、、θで共変微分を定義する事は分かったがこのθと接続形式との関係が見出せない。「現代微分幾何入門 野水克己 著」p78では、ねじれ率で同様な導出が書かれているがこれは逆に簡単、直接θとの関係が事前に定義されているからだ。同様に導けるとしているが、、、
(1) 曲率形式は接続形式ωの共変外微分だから接続形式ω式で書ける。
(2) 共変微分は一次微分形式θの式で書ける。
(3) 共変微分は接続形式ωの式で書ける。
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直感的にはそういう式で良さそうだし難しく見えないが。
多分つまらないミスかちょっとしたスパイスが抜けているからだろうと思う。
しばらくほかって置こう。