Note91 磁気能率とg因子
g=2という結果は実験から判明していた事で電磁学や非相対論的な量子力学からは説明の付かない因子だった。つまりシュレーディンガー方程式からは出てこなかったspinが自動的に導入された上に
g=2をごく自然に導いた点はDirac 方程式の正しさを現す成果の1 つであるとも言える。
g=2をごく自然に導いた点はDirac 方程式の正しさを現す成果の1 つであるとも言える。
今日はこの事について行間を埋めながらその過程を追ってみる。まず、磁束密度Bと電磁ポテンシャルの関係
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/13705849.html
で磁束密度としてZ方向の一様な磁場を考えてみる。
なので
これから
次にパウリ方程式を次のように近似する。まずパウリ方程式
で右辺1項目の因子を先程の関係を使って展開する。
これから方程式は次のように近似されます。
少し整理すると
となり軌道角運動量とスピン角運動量による補正項が明らかになります。ここでスピン演算子
を思い出すと方程式は
ここで次のような量を使う。スピン磁気能率
これにならって軌道角運動量Lの磁気能率を
と考えると全磁気能率μはg因子を導入して書くと
この事からg因子の値は
こうして電子のスピンによる磁気モーメントに関するg因子が2である事が理論的に説明された。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/13705849.html
で磁束密度としてZ方向の一様な磁場を考えてみる。
なので
これから
次にパウリ方程式を次のように近似する。まずパウリ方程式
で右辺1項目の因子を先程の関係を使って展開する。
これから方程式は次のように近似されます。
少し整理すると
となり軌道角運動量とスピン角運動量による補正項が明らかになります。ここでスピン演算子
を思い出すと方程式は
ここで次のような量を使う。スピン磁気能率
これにならって軌道角運動量Lの磁気能率を
と考えると全磁気能率μはg因子を導入して書くと
この事からg因子の値は
こうして電子のスピンによる磁気モーメントに関するg因子が2である事が理論的に説明された。
この点だけでもディラック方程式の成功は凄いと思う。