Note130 アハラノフ=ボーム効果(Aharonov-Bohm effect)

電子の波動性によってスリットを抜けてくると干渉模様を作る。と言う事は量子力学を学ぶとまず最初に知る事だとろうと思う。
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この点には異論は特に無い。そこで磁場(電子に影響を与える)を置く事を考えるのだが物理学者っていうのは面白い事を考える。磁場がソレノイドコイル外に漏れないように置いてみたらどうなのか?。
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確かに磁場を置いたんだろうけど磁場が漏れないようにしているので結果は全く同じ干渉模様を作るだろうか?。

例えばローレンツ力の関係
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を考えると電場E、磁場Bが存在しなければ
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電子eに電磁力は及ばないはずです。ただ電磁ポテンシャルAソレノイドコイル外でもゼロではないという点は重要らしい。しかし磁場の及ばないはずの空間を飛んでいく電子に何かが及ぶのだろうか?つまり電磁ポテンシャルは実在なのか?それは効果として観測されるのか?。
それが実在するのだというのがAB効果。Y. Aharonov and D. Bohm, Phys. Rev. 115

つまり干渉縞がずれるという主張なのだ。
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磁場が無くてもベクトルポテンシャルが(実在として)存在することを示しているという事になる。
とっても不思議だ

磁場はあるけど磁場が漏れないようにしているんだからそれは何も無いのと同じじゃないの?
と思います。言ってみればAB効果の実験では、電子は磁場の存在しない空間を移動している。しかしこれは日立基礎研究所の外村彰氏によって実験的に検証された事実。

つまり電子は見えないベクトルポテンシャルを感じるている

まあ、こういう常識を壊してくれる所が量子力学の面白いところでもある。

それで干渉は
波動関数=右側のスリットQを通る波動関数+左側のスリットSを通る波動関数
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位相を考慮すると
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位相そのものは観測されないが位相差は観測される事が分かる。
電子源から飛び出した電子はスリットを抜けてくるがそれは重ね合わせの状態で
P-S-RとP-Q-R の重ね合わせとなります。

そうだけど、じゃ位相差を生じさせる、位相を変化させるのは要因は何なんだろう?
今の例では干渉模様ができる事は分かるが磁場を漏れないようにして電子を飛ばした場合もやはり干渉模様はできるのも分かる。しかし両者の干渉模様に差異が生じる
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理由は何なんだろう?それがベクトルポテンシャルAなのだ、というのがAB効果という事なんだろうね。次回はその点をもう少し調べてみようと思う。