それは愛情ではない

いわゆる振り込め詐欺という犯罪は増加の一途らしい。
身内の不祥事に対してお金で解決できるという話を持ちかけて振り込ませるというのが手口の大半だろう。

私はどうにも解せない点がある。
「被害にあった」「騙された」という言葉だ。


誰だって身内の不祥事をお金で解決できるならそれで解決して公にならないようにしたいし、刑に服さなくて済む。

つまり、親子の愛情に付込んでいる卑劣な犯罪ということだろう。しかしこれにも疑問を感じる。


ある日、あなたに電話がなる。
内容は身内の不祥事がある=>お金で解決できる といった話だったとする。


さて、どうするか? この時点では次のケースが考えられる。
(1)本当に不祥事を起こしていた場合
(2)振り込め詐欺によるニセの不祥事


あなたのとる行動はやはり次のケースのどれかだろう。
(A)振り込む
(B)振り込まない


つまり、可能なケースは
(1)-(A)
(1)-(B)
(2)-(A)
(2)-(B)

となる。しかし(1)-(A)は犯罪をあなたが揉み消そうとしたことになります。
そう、犯罪揉み消しだ。
本来は罪を反省させ罪に応じた処罰を受けさせて学ばせるべき事が愛する身内に対する対応だろう。
つまり、(1)-(A),(1)-(B)のケースはあなたの身内による本当の被害者がいるのだ。

さて、(2)-(B)の場合は事なきを得る。そして被害にあうのは(2)-(A)という事になる。
つまり、4通りの答えのうちの最悪な一つを選んでいる事になる。

冒頭の文章を読みかえると
誰だって身内の不祥事をお金で揉み消し公にならないように隠蔽したいし、逃亡の手助けをしたい。

さて、あなたはこれが愛情といえるのだろうか?

本来は
(1)-(B)
(1)-(B)
(2)-(B)
(2)-(B)

だ。つまりケースを考える必要もなく「振り込まない」が正しい。

と思うのだが。