ロボットの心(2)会話

高度に発達した思考回路やコンピュータシステムが確立される時がやがてやってくる。
その時ロボットは心を持つだろうか?

アラン・チューリングによって考案されたテストをパスするコンピュータシステムが出来れば心をもつ少なくとも第一段階はクリアしていると言って良い。
このテストをチューリングテスト (Turing test)という。

一つの部屋にあなた。もう一つの部屋にコンピュータか別の人間に入ってもらう。

そこであなたは別の部屋に居る「誰か」と会話を行う事にする。
それには中立という意味でも会話はキーボードと会話を映し出すディスプレイで行う。
もしあなたが返事や質問をしてくる相手の言動をみてコンピュータと分かればそのコンピュータは不合格となる。しかし、相手の言動からどちらがコンピュータか人間かが区別付かないのならそのコンピュータは合格となる。


遠い将来の話?
そんな事は無い。1966年のジョセフ・ワイゼンバウムによるELIZAのは既に実際の人間としゃべっていると思わせている。さらに1972年のケネス・コルビーのPARRYは経験豊富な精神科医と対峙して正しく判別できたのは48%だった。つまり半分は見抜けなかったのだ。
ただし、質問回数や時間に制約があったことは付け加えておく。

ただ近年ではこの制約も緩和されて2003年には質問者は5分間、2004年からは20分以上の会話、しかし昨年では5分となった。結局長く話しても判定の基準に影響が無いという判断からだ。
しかし、この時の会話コンピュータは異なる人間と会話をして9人中3人は相手が人間だと思ったという判定だった。