これまでの話
第1話 量子の夜明け
第2話 光は波なのかそれとも粒なのか?
第3話 シュレーディンガー方程式の発見
第4話 Ψは一体何のか?
第5話 観測と状態の重ね合わせについて(二重スリットの実験再考)
第6話 重ね合わせの状態ってどういう状態?
第7話 シュレーディンガーの猫
第8話 不確定という事
第9話 量子力学の基本(の前に雑談)
第10話 量子力学の基本1(量子力学的観測とオブザーバブル)
第11話 量子力学の基本2(量子力学的重ね合わせ状態)
第12話 量子力学の基本3(状態ベクトルの基本)
第13話 量子力学の基本4(状態ベクトルの基本)
第14話 ψと確率と期待値の関係
第15話 ハイゼンベルグの不確定性原理
第16話 壁を通り抜ける
第1話 量子の夜明け
第2話 光は波なのかそれとも粒なのか?
第3話 シュレーディンガー方程式の発見
第4話 Ψは一体何のか?
第5話 観測と状態の重ね合わせについて(二重スリットの実験再考)
第6話 重ね合わせの状態ってどういう状態?
第7話 シュレーディンガーの猫
第8話 不確定という事
第9話 量子力学の基本(の前に雑談)
第10話 量子力学の基本1(量子力学的観測とオブザーバブル)
第11話 量子力学の基本2(量子力学的重ね合わせ状態)
第12話 量子力学の基本3(状態ベクトルの基本)
第13話 量子力学の基本4(状態ベクトルの基本)
第14話 ψと確率と期待値の関係
第15話 ハイゼンベルグの不確定性原理
第16話 壁を通り抜ける
■量子力学は本当に正しい理論なのか
量子力学の基礎方程式としてシュレーディンガーが示した方程式の解は複素数と成る事が分かったが粒子の位置やそのほかの物理量は一般には測定不可能な事になってしまった。しかしボルンがψに対して|ψ|^2が物理量の観測確率をあたえるという「確率解釈」を提唱し、その正しさは実験等を通して益々増していた。しかし、このような確率的にしか分からないような理論は「理論」として正しいのか?アインシュタインは「自然」、しいてはそれを説明する物理理論にこのような不確かなものを前提とした「量子力学」の考え方を、ひどく嫌ったと言われる。
マックス・ボルン宛の1926年12月4日付のアインシュタインの手紙が残っている。
とも言っている。
「親愛なるボルン。量子力学は大変尊敬できます。しかし、私の内なる声は、その理論はまだ完全な本物ではないと私に言っております。量子力学は多くの有益な結果をもたらしますが、われわれを神秘にほとんど近づけてくれません。いずれにしても、私は「神はサイコロを振らない」という確信を持っています。」また、
「間違ってるとは思いません。しかし、不十分なのです」 |
1930年、ベルギーのブリュッセルで開かれた第6回ソルベイ会議(The Solvay Conferences on Physics)
でこの問題は大きく取り上げられる事になる。
The Solvay Conferences on Physics、ソルベイ会議)
討論の口火を切ったのは、アインシュタインだったと言われています。
そこでアインシュタインは、
それは時間とエネルギーに関する不確定性原理に対して実際は不確定性がないことを示すアインシュタインの巧妙な思考実験でした。
でこの問題は大きく取り上げられる事になる。
The Solvay Conferences on Physics、ソルベイ会議)
写真:Science & Society より |
そこでアインシュタインは、
量子力学の不完全性を証明する決定的な証拠を提出したのです。 |
この決定的ともいえるアインシュタインの証拠にたいしてボーアは殆ど反論する事ができなかったらしい実際
ボーアは
と漏らした言われる。
しかし、ボーアは一晩かけてついにその反論を見つけ翌朝、
と切り出しアインシュタインの間違いを示しこの論争に勝利している。皮肉にもアインシュタインは一般相対論の効果を無視していたためこの点をボーアに突かれたのだった。
ボーアは
「もし、アインシュタインが正しければ、物理学は、もうおしまいだ。」 |
しかし、ボーアは一晩かけてついにその反論を見つけ翌朝、
「アインシュタイン博士の重大な誤りを私は見つけました。」 |