Memo20 場の量子化に向けて(3)正準量子化(1)

古典的なHamilonian(ハミルトニアン)は
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でした。今のところpとqはc数なので次のような交換関係の計算結果はゼロになります。
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ここで交換関係を
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という(正準交換関係を(突然)要請するとp,qはもはやc数ではなくなります。この関係を満たす具体的な関係の(一つ)として
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と考えなければいけなくなります。実際、こうすると
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なので、正準交換関係が成り立っています。同様にEと時間にも交換関係を要請する。
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そして、再度ハミルトニアンに立ち返ってみると、
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となってシュレーディンガー方程式に化けてくれる。もう少し具体的にやってみるとハミルトニアンを次のように考えると
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これに先程の正準交換関係を(突然)要請すると
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となってちゃんとシュレーディンガー方程式に化けてくれる。


何となくだが量子化のイメージが分かった気がする。つまりこう言う事だろう。
古典的にはラグランジアンハミルトニアン)の様式を決めて最小作用の原理から系の運動方程式とエネルギーに関する事が導出される。そして量子化ラグランジアンハミルトニアン)の様式を決めてそれに対してある正準交換関係を要請してやるとその系が量子化される。という事だろう。だからラグランジアンハミルトニアン)の様式自体は
正準交換関係を設定する前だけに意味を持つ量
だと考えないといけないと思われる。

イメージ
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一方、正準量子化 は、
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非常に大雑把な言い方をすると初めハミルトニアンの運動量を微分演算子に置き換えるとシュレーディンガー方程式になった。このとき微分演算子と座標変数との間には正準交換関係があった。だから逆に考えてみると運動量と座標変数との間に正準交換関係を要請すると運動量と座標変数はもはやc数でなくなり、ハミルトニアンからシュレーディンガー方程式が出てくる。そしてこのやり方をまねれば「場」も量子化できるはずだ、というストーリーが正準量子化なんだろか。