Note33 ゲージ変換のアイデアって

ゲージ変換のアイデアはワイルが考えた物差し(ゲージ)の変換だったが結局この方法は物理としてダメだったと言う歴史的背景があった。それで、アイデアは残った。と言うがどんなアイデアが残ったのか?。量子力学では位相変換(座標変換するのではなく位相を変える変換)と呼ばれる
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805063227.jpg
という変換が「ゲージ変換」と言う事だが、これの何処がゲージ変換なの?という素朴な疑問だ。

その前に、物理学はある種の変換に対する不変性が重要になる。例えば座標変換に対する不変性がその一つで例えば、ニュートン力学ではガリレイ変換でこれが特殊相対性理論ではローレンツ変換(Lorentz transformation)という事になる。それぞれそのような座標変換で不変な理論になっている。それでゲージ変換はどんなアイデアを残したのか?「現代微分幾何入門 野水克己 著」p56によれば
空間(時空)に対して恒等変換を引き起こすものと定義される。
と言う事になっている。大雑把に言えば、「ゲージ変換は座標を変えない変換」として残ったようだ。この点はまだピンと来ないのでまた後日にでも突っ込んでみたいと思います。

量子力学では波動関数は一般には複素数です。なので波動関数そのもの、というよりその絶対値の二乗が測定値の観測確率(実数値)与えていた。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805063232.jpg
なので位相を変えても観測可能な値は変化しない。位相を変えると言う操作はLie群U(1)による変換、これは単に複素平面上での回転になる。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805063236.jpg
つまり、観測確率を得るために重要なのは波動関数の絶対値の二乗なので回転角θはどうなっていても良い。それで、これが「ゲージ変換」になる。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805063239.jpg
確かに座標変換では無い。それでこんな話は量子力学シュレーディンガー方程式を相対論的方程式に格上げしたときにもそのまま成り立っている。

しかし、このゲージ変換はまだ甘い。と言う事らしい。この点は次回に。