Note237 Ehrenfest theorem(エーレンフェストの定理)の素朴な疑問

なんとなくぽっかりと穴が空いてしまった気分。本当なら真逆の気分のはずなんだけどなんとなくこの年末が寂しさで凹みそうだ。なんといってもこんな年末年始は初めてのことだから。
しかもいろんな物が壊れてしまって出費がかさむ辛さ、、、。
といってもそんなに沈んでいても仕方がないので久しぶりに勉強しよっと、ということで。

エーレンフェストの定理量子力学古典力学を結ぶ重要な定理
もちろん量子力学を学ぶと必ず出てくるので知ってはいましたが実の所まだ良く分かっていません。

さて、ユダヤエーレンフェスト(Paul Ehrenfest)はそのような重要な定理に名を残しているが不幸な人生を歩んだ物理学者でもある。彼の息子はダウン症を患っていたが息子を射殺した後、本人も自殺している。また、エーレンフェストはアインシュタインの親友でもあった事は良く知られている。ところで直感的には量子力学古典力学を結ぶような道があると思えない。まず、
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805233844.jpg
のような交換関係がその道を寸断しているように思えてなら無い。

さらにシュレーディンガー方程式は物質波、ド・ブローイ波の波動方程式であって古典的なニュートン力学自体は質点のような明らかに波では無いものを扱っている。
つまり、古典力学では質点の「位置」とか「運動量」を掌握しているのに対して量子力学では「波束の時間変化」を掌握している点だ。

にも関わらずエーレンフェストの定理は物理量の期待値が古典力学の運動法則が対応している事を主張しているという。この点がまったく理解出来ないのだ。なんで?。エーレンフェストの定理では
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805233813.jpg
だがこれが丁度、古典力学ニュートン力学)の
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805233817.jpg
に対応しているという点で量子力学古典力学を包含しているという意味だ。
そもそも対応
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805233822.jpg
という事がなんで言えてしまうのか?馬鹿馬鹿しい話だがこの事から逆に古典力学から量子力学が出て来るんじゃないか等と思ってしまう、というか錯覚を起こしそうになる。

という点がしっくり来ないという点が素朴な疑問なのだ。

最近になってエーレンフェストの定理は単純に「量子力学古典力学を結ぶ」定理くらいのものだと思い込んでいた事に気が付いた。つまり雑学レベルの理解だったわけでちゃんと教科書を読んでいなかったという事が「また」露呈してしまったわけです。
実は波動関数無限遠で0とする境界条件(これは量子力学の範疇で説明されるものでは無く仮定)。ポテンシャルが実数(物理的仮定?)。さらに
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805233829.jpg
のような対応を認めるにはポテンシャルが単純な場合、つまり一定であるような時に限られる。「量子力学入門 阿部龍蔵著」p105
という前提の存在が不可欠なのだという点にエーレンフェストの定理の深さを知ったような気分になったわけです。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805233835.jpg
となって
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805233841.jpg
とう具合に量子力学的期待値と古典的な値が同じようになるわけ(?)。