Note165 純粋状態と混合状態(1)
純粋状態と混合状態はわかった気になっていても実はどうなんだろう?
時々、判らなくなる。
時々、判らなくなる。
例えば状態の重ね合わせはイメージ的には混ざっているから混合状態?とうっかり思ってしまうので思考の切り替えがスパッと出来ないと悩んでしまう。
もっと判りやすい表現ってないのだろうか?
というのはヒルベルト空間のベクトルで書けるような状態で
こんなベクトルになっている。しかし、一旦観測されるとこのベクトルとは一般には異なった方向に向いている。この変化が波束の収束という厄介な話しになっている。
というのはヒルベルト空間のベクトルで書けるような状態で
こんなベクトルになっている。しかし、一旦観測されるとこのベクトルとは一般には異なった方向に向いている。この変化が波束の収束という厄介な話しになっている。
ちょっと強引だが例えば電子のスピン(UP、DOWN)を考えた時、スピンの状態を観測(observation)する事を考えると状態としてはUPとDOWNという状態がある。なのでヒルベルト空間として2次元でそれぞれの状態(基底)を
と書くことにする。量子力学ではこの観測に対応するのがオブザーバブルという演算子に対応する。それぞれ表を観測するオブザーバブルと裏を観測するオブザーバブルがある。
と書くことにする。量子力学ではこの観測に対応するのがオブザーバブルという演算子に対応する。それぞれ表を観測するオブザーバブルと裏を観測するオブザーバブルがある。
例えばZ軸方向に対してスピンを観測する場合
とするなら
と書かれる。つまりスピンUP、DOWNの確定している状態に対してスピンを観測をするとUPまたはDOWNという観測値(+1または-1)が得られるという事になる。それで「許される最大限の範囲にわたって指定されている量子状態」が純粋状態ならこの時、観測後の状態は必ずUPまたはDOWNどちらかになっている。つまりUPならUPでDOWNならDOWNという極めて純粋な状態にある。なので
は純粋状態だと言える。
だよね?。それなら
は混合状態なのかと言えばそうでは無い。
とするなら
と書かれる。つまりスピンUP、DOWNの確定している状態に対してスピンを観測をするとUPまたはDOWNという観測値(+1または-1)が得られるという事になる。それで「許される最大限の範囲にわたって指定されている量子状態」が純粋状態ならこの時、観測後の状態は必ずUPまたはDOWNどちらかになっている。つまりUPならUPでDOWNならDOWNという極めて純粋な状態にある。なので
は純粋状態だと言える。
だよね?。それなら
は混合状態なのかと言えばそうでは無い。
でも「混ざっているじゃないか」と思うところにこの純粋状態と混合状態という言葉からくる印象が私には弊害になっているようだ。先の定義によれば
であるならこれは純粋状態だという事になる(ホント?)。
であるならこれは純粋状態だという事になる(ホント?)。
まずUPを向いた方は何度観測しても100%、いつもUPとなって純粋だ。当然だが観測者はUP状態を知っているからで、そういう意味ではスピンのUP状態に関して観測者は完全な情報を持っている。当然だ。
UPという事を知っているからだ。
UPという事を知っているからだ。
一方、観測していない電子なら50%の確率でUPとなっていつもUPにはならずに確率的になる。これも直感的にも当然の事だ。ただ、一旦観測された後はいつ観測しても同じ固有値になるから純粋状態だ、、?
ところがこれを膨大な電子の集団に対して行うと問題は変わってくる。それが全て観測した電子でUPかDOWNか分かっていて無作為に電子を選んでその電子がUPになるのは確率的になる。これはまさに混合された状態と言える。観測結果はUPまたはDOWNという事はわかっているが完全ではない、、、。
ん、、スッキリしないのだ。
ところがこれを膨大な電子の集団に対して行うと問題は変わってくる。それが全て観測した電子でUPかDOWNか分かっていて無作為に電子を選んでその電子がUPになるのは確率的になる。これはまさに混合された状態と言える。観測結果はUPまたはDOWNという事はわかっているが完全ではない、、、。
ん、、スッキリしないのだ。