Note200 コンプトン散乱

1923年にアメリカの実験物理学者コンプトンArthur Holly Compton)が発見した電磁波と自由電子の散乱の事。

場の量子論(QEDでは)2次のオーダーでコンプトン散乱に関する項が出てくる。
Feynman規則では恐ろしく簡単にその項は算出できてしまう。
もっともこれをラグランジアン(真正面)から計算するととんでもない苦労をする事になる。

コンプトン散乱項は具体的には
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805145926.jpg
といった形にになる。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/16109270.html
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/16190269.html

さて、コンプトン散乱で.電磁波が自由電子によって散乱されるとき、散乱後の電磁波の波長が散乱前よりも長くなる。これは電子が光子のエネルギーを奪ってしまう事による。
通常はコンプトン効果と言えばX線と電子との衝突でX線の波長が変化する現象を指すようだ。
(コンプトン散乱は非弾性散乱の一種)。
このような事からコンプトン散乱は光の粒子性を浮き彫りにする現象の一つなのだろう。

さて、ともかく計算したS行列のコンプトン散乱項は次のようになったのでした。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805145930.jpg

で、以前、もう計算したくないって言ったのですが、、、
自分的には孤独な独学としては結構頑張った積りだったけどM君にコンプトン散乱の散乱断面積は?と聞かれた。そんなの実験屋さんがやる計算だから啓蒙書を少し飛び出したい私にとっては興味の範囲の外だった。しかし、M君はコンプトン散乱の散乱断面積も計算していないのにQEDを「かじった」とは言わないぜ。などと言われてしまった。

もっともM君が言うには1928年にオスカル・クラインと仁科芳雄が共同で導いた式
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805145935.jpg
という有名なクライン・仁科の公式 (Klein-Nishina formula)があるからだと言うのだ。

でもこれって「場の量子論(中西襄著)」にも出ていたけどちょっと違うのです。
まあ、今は気にしないようにしよう。というわけでやってみようと思うのだった。まあ、ガンマ体操には抵抗がないから問題はトレースの計算だろうけど使える公式は色々とあるし、なんとかなるだろう。