Note16 微分同相(4次元はやっぱり奇妙だった)

多様体Mから多様体M'への写像微分可能というのは任意のM'上の微分可能関数f’に対して関数
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がM上の微分可能な関数となる場合を言います。
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pの座標近傍Uとしてその局所座標系x、p'の座標近傍をVとしてその局所座標系yとします。
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なので
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微分可能な関数という事ですね。さらに、
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なので、
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微分可能な関数となります。特にMからM'の上への1対1の微分可能写像でその逆写像微分可能なときこの写像微分同相写像(diffeomorhism)と言います。それでこのような微分同相写像が存在する場合MとM'は微分同相と呼ばれます。

なんか難しいけどイメージとしてはMからM'に、さらにM'からMに滑らかに変形出来るという意味と思えば良いかもしれない。滑らかにというのは微分可能という事からも変形途中で絶対に角や切れ目が出来ないという意味でしょうね。

そう考えると、多様体M、M'が与えられたときにこれらが本質的に異なるかどうかという判定だとも言える。つまり滑らかに相互の変形が出来ない同士は本質的に異なるという事。
このような微分できる仕組み(構造)を微分構造というらしい。それで多様体にこのような微分構造が(幾つ)あるかというのは数学上大きな問題のようです。

それで、微分構造が何種類存在するかを分類する研究もあるようです。詳しい意味は分からないが次のようになっているそうだ。
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驚くべきことに4次元ユークリッド空間だと無数の微分構造がある。4次元ってやっぱり神秘的というか奇妙なんだ。こんなふうに1個でないとき残りをエキゾチック(exotic)という。さらにこのエキゾチックというのは物理学と深い関係あるらしい。同様な分類が球面についても行われていて次のようになっている。やはり4次元はとっても難しいらしい。どうやら1または無限大らしい。最新の情報は知らないので結論が出ているのかも知れません。1と明記してある書物もある。
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奇妙と言えば7次元の球面だ。突然28個になる。この奇妙な感じは例えば位相同型の意味で考えると滑らかに変形できる、つまり切ったり折り曲げたりしないで球にできるような形状が沢山あるいは無数にあるとする、それらの中から適当に二つの形状を取ってきて一方をAもう一方をBとしたときAからBへの変形も滑らかに出来るだろうとと思うけど7次元の球面だとどう頑張ってもAからBへの変形が滑らかにならない形状があると(想像できないけど)、それらを分類すると28種類もあると言うのがこのイメージだと思っている。

何なんでしょうこの規則性の見えない28と言うのは。もっともこれは多様体の向きの違いも含めて微分構造を数えているのでそういう意味では15が正しいようで。

難しい事は抜きにしてもとっても不思議だ。4次元というキーワードは何か物理学と奇妙な関係を伺わせている。

微分構造に関してはまったく手の届かない世界の話なので、今日はこの程度で。
今日は「現代微分幾何入門 野水克己 著」p3 に戻ってみた。