Note30 ファイバー束の概念を再考してみる

先日はベクトルを曲線xに沿って平行な移動するという条件を具体的に導いてみた。少し具体的になったという事でこれまでの事(ファイバーバンドル)をもう少し整理してイメージして見たいと思います。
(あくまで私のチンピラ的独学による現時点でのイメージなので正確な描写ではないかも知れません)

さて、曲線xに沿って平行な移動をするベクトルζは
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を満たしていなければ成らない事は前回分かりました。これを元に微小な平行移動について見てみることにします。δtを微小な値としてみると、
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となります。これで何が分かるのか?

空間(多様体)の座標系はふらふらしていている。以前の記事でこんな疑問を書いた。
「しかし、断面Ψは場の量とみなせるがそれこそ各点で異なる。しかも座標系はふらふらとした状態で各点で異なっている。そうなるとそんな無関係なものを比較(引き算)する事に意味があるのか?」
と。

今日、どうやらこの疑問の回答にたどり着いたようです。

空間(多様体)の座標系はふらふらしていて各点で異なっているが当然無節操に比較しても意味が無い。そこで微小に平行移動してみた場合はどうなのか?

ごく自然な仮定はベクトルの各成分について考えてみるとそれは動かし方が微小であるほど変化しないだろう。つまり変化量δxに比例するはずだ。
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という事になる。さらに座標系はふらふらしている分も同様に比例係数として掛かってくるだろう。そう考えると比例係数の形としては
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という形が最も自然だ。(添え字の上下合わせも考慮してという意味で)そう考えると
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となる。従って平行移動の条件もこの式から自然に、
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が得られる。つまりふらふらしていている座標系間の関係がこの係数で結ばれたた訳だから「接続」が定義されたわけだ。しかも今は比例関係という極めて単純な線形性を仮定したわけだから、これはまさに「線形接続」といって良い。


ファイバーは局所的には底空間とファイバーの直積でした。
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さらにファイバー上は構造群で自由に移動出来ました。それでファイバー間は?と言うと構造群(座標変換関数)によって張り合わせされました。なので束ね方によってはメビウスの帯のようなケースもあり得ます。
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なので構造群でファイバー束を回ってみるとひねられている(捩れている)方が一般的な状態なのでしょう。整理すると主ファイバー束(同伴ファイバー束)の接空間でファイバーに接する方向の垂直空間とファイバーと直交するイメージの水平空間があって垂直方向は変換群Gで自由に上下でき、水平方向の接続(平行移動)を定義してやると水平空間が横どうしてうまく繋がっていく(まさに接続じゃないか!!)。
これで構造群の変換でファイバー束の世界を自由に動き回れるって訳だ。さらにファイバー束は底空間から生えたファイバーを束ねている。それでそのファイバーはファイバ空間(多様体)Fに構造群Gによって決まる仕組み(不変性とか)があるとその構造はそっくり底空間M上のファイバーに再生される。で、これを束ねたものがファイバー束という事になる。なんか説明も構造群Gで回ってってしまったけど、、。
なるほど、少しストーリーが見えてきた気がする。

ファイバー束ってなんか凄いぜ!!しかもなんか(少し)スッキリした気がする。

ただ、まだ理解しておかないといけない概念が残っているので次回はその辺を理解していきたい。具体的にはまずは曲率の概念です。