Note53 微分幾何的な電磁場のイメージ

先日の続きですが、マックスウェルの連立方程式Maxwell's equationsは4元ベクトルポテンシャルAで次のように表現出来ました。
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この形式を見てAを接続形式と見なすとFは曲率形式と見なせる事になります。それで電磁場は微分幾何という視点から見ると主ファイバー束幾何学と見なせるというのです。それでどんなファイバー束なのかという事になるがそれは、底空間をMinkowski空間で構造群U(1)とする主ファイバー束なんだと。
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ユニタリ変換は複素ベクトル空間内で全てのベクトルの位置関係を保ったまま同じように回転させるようなイメージです。U(1)は1次元のユニタリ行列なのでaとその複素共役を掛けると1になる行列というか複素数全体という事になる。なので適当な実数θで
exp(iθ)
と表現する事ができます。もちろんU(1)はLie群になっています。

それで、主ファイバー束の接続が
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と考えるとその曲率形式は
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と考えると、この接続形式が4元ベクトルポテンシャルで曲率形式が電磁場のマックスウェルの連立方程式になっている。というのである。(へぇー、って感じだ)
さらに、
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は曲率形式のBianchi の恒等式に他ならない。とするならば、電磁場Fは主ファイバー束を水平に一周したときのズレ(垂直ベクトル)に相当しているというのが幾何学的イメージだ。もっともこの一周した空間PはMinkowski空間では無いから得体の知れない超空間における曲率という事になる。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/21504505.html
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で、そう考えると(主ファイバー束の接続の視点で見ると)むしろ接続形式Aの方がより基本的なものだったから改めて考えると電磁場はむしろ4元ベクトルポテンシャルの方が物理的には基本的な「もの」という事が分かる。こうして電磁場は微分幾何(ファイバーバンドル)の言葉では4次元Minkowski空間を底空間をとし、可換群U(1) を構造群とした接続形式から導かれる曲率形式という事になる。さらに、ベクトルポテンシャルの変換
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で方程式は不変でした。これは外微分の性質(dd=0 )が効いたからだった。これは丁度
ゲージ変換 (gauge transformation)とそれに対する不変性の話に一致している。

なんか巧い話だ。