白いカラス

さだまさしさん作詞作曲の詩「不良少女白書」に出てくる一つのフレーズだ。
決して良い歌だとは思えないが詩のフレーズが気になるので覚えている方も少なくないだろう。


タイトルは「不良少女白書」だが少女の心の内を表に出している気がする。

いつも後ろを向いて、、、大人の都合で何かが捩れてしまっている。
じっと待ってるけど誰も来ないって判ってる」なんていうフレーズが冒頭にも出てくる。

しかし、実際はそうじゃない。
さだまさしさんがこの詩に込めた思いは分からないがそういう胸の内を理解して前を向いてもらいたいとそう思ったんだと私は思う。

人には黒く見えるカラスが自分には白く見えてしまう。
黒く見ようと努力したのに人は大声で聞いてくる。

不安や不信白いカラスとして現れる。
いつかそうなるんじゃないかと。そんな事は無いと人が幾ら言っても信じられない。
自分には白く見えてしまう。
努力すればするほど自分がダメな不要な存在に見えてしまう。

本当は白いカラスなんて居ない 事が分かれば救われるのだと思う。

そう、人に言われて信じることより自分で信じられる事を提供する事が安らぎになるのだと思う。

黒だ、なんで黒く見えないんだ。黒と言え!!

これではダメだ。追い詰めるだけだ。「本当は白いカラスなんて居ない」これだけで十分だ。
後は、本人を尊重してあげれば良い。

この詩のフレーズにはこんなのもある。
「何が正しくて何が嘘ですか?」
「100じゃなければゼロですか?」

こんな所に私がいつも口にする「物事はゼロや1では無い、0.5や0.2でも良いじゃ無いか」
そう「100じゃなければゼロですか?」と聞かれたら私はそんな事は無いと言いたい。


カラスは黒でなくても良い。「白いカラスなんて居ない」事を聞けば、
「そうか、まだ自分には黒く見えないけど私には灰色に見えている」という事でも前進だと思う。

無理をする必要など無い。
ほんの少し自分に自信を持って、ほんの少しだけ自分を信じる。
ただそれだけだ、それで十分だ。


引用:さだまさしさん作詞作曲「不良少女白書」