謝りたかったけど、、

許されるなら10分、いや5分で良い、母と最後の会話を交わしたい。
親孝行出来なかった自分を許して欲しい」と。
これが悔いてならない。思い出すと辛い気持ちに苛まれる。


先日、駅前のコンビニから出てくる老人を見た。
歩くのもおぼつかないがまだ歩けるだけましかも知れない。
去年ならきっと将来の自分の姿を重ねてしまっただろう。

ただ、悲しいというか切なかったのはその老人がコンビニで買ったものだった。
お弁当、それと晩酌でもするのかカップの日本酒だった。
その袋を提げてよぼよぼと歩いていく姿。

想像する事は出来る。
おそらく一人暮らしだろう。ご飯を用意してくれていた伴侶ももう居ないのだろう。


そう思えば母は息子と最後まで生活したし、弟や妹に囲まれて天国へ行った。

そう思ったら少しだけ気分が楽になった気がした。
母は一人暮らしの寂しい生活時間を過ごさなかった。
私が帰郷して7年だけだったが少なくともあの老人のような切ない気持ちにはさせずに済んだと。

ほんの少しだが私は許されたような気持ちになった。