Feynman図形処理で遊ぶ

繰り込みって、、、

「場の量子論 中西襄」p257あたりから本格的な話になる。 それまではFeynman積分の一般論で、とりあえずはほって置いてよさそうだが、 プロパゲータを補正するらしいのだが冒頭、自己エネルギーの総和を、、、 総和って? 自己エネルギーは以前計算しておい…

繰り込みって何だ?

Memo1 ファインマン規則で遊ぶでも書いたように当初の目的はほぼ達成できたと思いますがかなり寄り道というか(意外とまじめに)勉強してしまった。 とは言ってもこれでQED(量子電磁気力学)を「知った」(理解した)というのは物理を真剣に学んで居る人た…

Memo67 1/137

Feynman規則に従えば、頂点と内線で必ず係数 が掛かります。なので微細構造定数(Fine structure constant)α を使うと 常に微細構造定数が掛かっていると考えることが出来ます。こう考えると非常に大雑把な見積もりとして という対応が取れるのでFeynman図…

Memo67 真空のエネルギー(無から生成されては消滅)

真空エネルギー・項は でした。これは今までの項とは違って大変興味深いです。真空泡(Vacuum bubble)とも呼ばれています。これが対応するFeynman図は次のようになっています。 先日と同様でFeynman規則で直ぐに結果が描きだせます。係数は 対称性因子は上…

Memo66 光子からの粒子生成・消滅(光子の自己エネルギー)

光子の自己エネルギー・項は でした。これから読み取れるFeynman図は となります。 ※ループに関する規則を使っています。 先日と同様でFeynman規則で直ぐに結果が描きだせます。係数は で、そのほか諸々の因子を並べてやって、 内線の積分を行うと次式を得ま…

Memo65 電子の自己エネルギー

電子の自己エネルギー・項は でした。これから対応するFeynman図は となります。もう説明は必要ないですね。(直ぐに読み取れますね。)なので、Feynman規則で直ぐに結果が描きだせます。係数は で、そのほか諸々の因子を並べてやって、 内線の積分を行うと…

Memo64 電子電子散乱・電子反電子散乱

それで、Feynman規則で改めて計算してみると(とっても楽に出来るのでちょっと遊んでみる)。 既に頂点と内線の係数は掛かっているので規格化の係数を を掛けて、 という最終的な結果が得られました。これは「場の量子論 中西襄著」p187と一致します。また先…

Memo63 電子電子散乱(3)

電子電子散乱・項は で、前回これから読み取れるFeynman図は、 だけに見えます。と書きました。 そしてFeynman図を一旦忘れてコンプトン散乱項を計算した要領で電子電子散乱・項を計算してみると、電子電子散乱のS行列は次のようになっていました。 こうして…

Memo62 電子電子散乱(2)

先ほど途切れてしまいましたので続いて行きます。 まで計算しましたね。ここで略記していたδは反交換関係の右辺を(略して書いていたのを)思い出すと、他の項は全てゼロになってδの添え字に関する項だけが残る事を意味している。つまり、 また、γは添え字5…

Memo61 電子電子散乱(1)

前回書いたようFeynman図に頼らずに計算する必要が出てきましたので、、、。 2次のオーダーのS行列の計算結果は「場の量子論 中西襄著」に載っていますが行間は一切無く結果のみで電子電子散乱では2個のFeynman図が出てきます。電子電子散乱(Mφller散乱)・項…

Memo60 コンプトン散乱

ようやくFeynman規則までたどり着きました。そこで今までの計算(2次のオーダーですが) 第43話~第49話 を振り返って(大変でしたけど)これらをFeynman規則でやり直してみようと思います。 さて、今日は第52話~第50話でやった「コンプトン散乱・項」、 …

Memo59 Feynman規則で遊ぶ

今日は前回までの集大成です。(長く辛い計算が続きましたが、、、) さて、これまで導いたFeynman規則を使って一通りの手順をやってみましょう。演習として「場の量子論 中西襄著p178」のFeynamn図の計算です。これはもう殆ど(まさに)遊びです。 答えは …

Memo58 4次元運動量保存とFeynman規則

Feynman図は物理法則に従ったものでなければなりません。無節操に図を描いても全く無意味です。これまでの話から既にデルタ関数因子が運動量保存に関係して出てくる事は分かっています。改めて規則として書く必要は無いかも知れませんがこれもfeynman規則と…

Memo57 内線ループ(Feynman diagram)

前回もう一つ大事な規則が必要だと書きました。それは、光子の自己エネルギー・項で出てきた式です。 この式から分かるFenman図は次のようになることが見て取れますね。 プロパゲータ(伝播関数)が内線に対応してN積の部分が外線に対応していた訳ですから式…

Memo56 頂点(Feynman diagram)

feynman図では頂点には次の因子が対応します。 添え字μ、νの意味(対応関係)は明らかでしょう。例えば、 コンプトン散乱項の1部分を見てみると、 この図に配置した式は内向きの外線から初めて(右から並べて)いくとちょうど間にγが挟み込まれて、 となっ…

Memo55 内線と伝播関数と仮想粒子

内外線とは頂点が両側にある線でした。内線に相当する部分はWickの縮約部分 が対応することも書きましたが、例えば、これはコンプトン散乱項で計算したとき伝播関数として、 として置いていた部分です。 と置くと、(これをfeynman伝播関数と言います)。 具…

Memo54 外線と波動関数(Feynman diagram)

先日、(S行列における)Wickの定理(縮約)とFeynman図とはある意味Wickの定理(縮約)の可視化と考えることができる点を見てみました。今日は外線について見てみたいと思います。 外線(内線)の種類には次のような意味が割り当てられています。 各線には…

Memo53 Feynman図(Feynman diagram)登場

先日まで大変な計算でしたがこの負担を劇的に軽減したのがFeynmanです。 (参考)第4話 Feynman Rureの生い立ち・ファインマン図登場 複雑で困難な計算を今日Feynman図とよばれる図を使った計算にしたわけです。この方法は当初は絶賛されるどころかBohrは激…

Memo52 S行列の具体的な計算(10)

2次の摂動であるS行列成分の計算が今日終わります。前回の式でさらに整理しますと、(指数関数を集めると) となります。ここでxの積分を遂行すると、(デルタ関数を思い出して) 同様にyの積分を遂行すると、(やはりデルタ関数を思い出せば) デルタ関数を…

Memo51 S行列の具体的な計算(9)

前回の式をさらに計算していきますが、ここで真空に生成演算子を作用させて期待値を求めておきます。この点は既に第13話 場の量子化の概観(2)で見ていますがこの時は自由度が離散的でした。しかし同様な結果になります。離散的な意味でクロネッカー・デル…

Memo50 S行列の具体的な計算(8)

まだ計算は続いてまして、前回、S行列の2次摂動を具体的に計算できる所まで出来ましたのでその続きをしてみようと思います。具体的には で次の反応のS行列成分の計算を行って見ます。 つまり、次式を計算する事になる。 この場合、生成消滅演算子のペアを見…

Memo49 S行列の具体的な計算(7)

今日でS行列の2次の摂動の具体的な形式が完成です。この7日間の計算をようやくまとめられる段階に来たと言う事でして。ただこの段階でも答え合わせが出来ないので不安はあるが結果はもっともらしい形でまとまりそうです。 プロパゲータを と置くと、次のよ…

Memo48 S行列の具体的な計算(6)

今日も暑かったですね。帰ってみると部屋の中は暖房状態です。ジワジワと汗ばんできますが気合を入れて先日の計算の続きを、、、 光子の自己エネルギー・項 行列要素で表記すると、 数学(行列)に馴れた人ならこの添え字の繰り返しパタンを見ると直ぐにピン…

Memo47 S行列の具体的な計算(5)

前回の続きです。というか未だ計算は終わりません、、、今日からは前回単純に展開したのでその結果を整理できそうな部分を少し整理してみます。 コンプトン散乱・項 ですが、 はΨ(x)γΨ(x)とΨ(y)γΨ(y)を入れ替えてもΨの置換が偶置換なので符号が変わらないの…

Memo46 S行列の具体的な計算(4)

まだ続いていまして、前回の最後の式を単純に展開してみると次のようなパーツから出来ている事が分かります。 という8項からなることが分かります。そしてそれぞれの項には物理的な現象に対応している事が追々分かってくる。(この対応関係はしばらく式を眺…

Memo45 S行列の具体的な計算(3)

前回までは大した計算はしていませんでした。 ともかく次式、 これをWickの定理で展開していきます。以下で各パーツ毎に計算してみましょう。 N積をとった部分がある場合その部分のWick縮約はとる必要がという規則を使った。 また2項目は この縮約は生成演…

Memo44 S行列の具体的な計算(2)

前回、0次、1次の項は反応に寄与しないと書いていましたがやはり少し吟味しておきます。 0次の項は なので何の反応も無い状態です。これは自明ですが、1次の項 は電磁場の演算子が一つしかないため真空期待値をとるとゼロになるので寄与しない項になる。(Ψ…

Memo43 S行列の具体的な計算(1)

前回まででS行列の具体的な計算に必要なトリックは一通りは見てきたことになります。今回からはさらに辛いこのS行列の具体的な計算をやってみようと思います。実際は「場の量子論 中西譲著」ではこのあたりからFeynman図に入っていきますが、ここに来て「自…

Memo42 ウィック縮約(メモ)伝播関数(プロパゲータ)

一般に生成演算子と消滅演算子の部分に分けてみると、 およびN積を求めて、 εはフェルミオンの場合マイナスとする。 従って、 ここで、消滅演算子を右に寄せて生成演算子を左に寄せ集めているのでN積の真空期待値はゼロになる。という事を使った。これから、…

Memo41 ウィック縮約 (Wick contraction)

前回までの話で次の略記(ウィックの縮約 (Wick contraction))にピントが合って来ます。 やはり行き成り遭遇すると(当然)意味不明の絵画ですね。 例えば、次のように使います。 縮約の表記を使うと 注意する必要があるのは これは、もともとN積が消滅演算…