微分幾何のイメージを

Note99 内部積と多様体上の発散(div)の定義

ベクトル解析で出てくる発散(div)も多様体上に定義できるようだ。それには内部積という概念が使われている。「多様体入門 松島与三 著」p118 それでその内部積の定義だけど、次のように定義されている。 「現代微分幾何入門 野水克己 著」の流儀では (http:…

Note98 ベクトル解析のいろんな積分定理

微分形式の積分公式のストークスの定理を使うと一見バラバラの次のようなベクトル解析における公式、 が統括される。という事を確認してみる事にする。 まずはグリーンの定理。 としてとして微分形式のストークスの定理を適用してみる。 お次はガウスの発散…

Note97 面素(面積素)、線素

ベクトル解析で使われる面素、線素を微分形式で書いてみるとかなりスッキリする事が分かった。 まず面素から曲面rを次のようにパラメータ表示しておく。 面素は次のようなベクトルとして定義する。 曲面rで書いた場合は そうすると面素は次のようなベクト…

Note96 ストークスの定理(3)

さて、先日の宿題だけど、もう少し簡素にならないかと悩んだが大差無い結果しか思いつかず断念。まあイイヤ。それで全体として が言えるのか?という事が残ったわけですが、直感的には局所近傍で成り立っているのでそれらを合算するという事になる。それで各…

Note95 ストークスの定理(2)

先日、長年付き合ってきたテレビがラジオになってしまった。(つまり真っ黒画面) 家電製品が次々と、、、今年は既にエアコンも買い換えたし、、、とうとうテレビも壊れてしまった。 結局、買って来ました。いやー新品って良いね。ほんと画面が綺麗だし。し…

Note94 ストークスの定理(Stokes' theorem)

今日からトークスの定理(Stokes’ theorem)を眺めてみようと思っています。 ωをM上の(n-1)次微分形式とする時 という定理。「多様体入門 松島与三 著」p258。さらに です。これはストークスの定理でM自信をMの領域と思えば∂M=φなので 「多様体入門 松島与…

Note93 多様体上の領域に制限した積分

領域Dにおける積分も普通の多重積分と同じように考えて良いようだ。 「多様体入門 松島与三 著」p258 つまり、 と定義されます。 この事に特に違和感は無い。多分、多重積分の悪知恵のせいだろう。

Note92 多様体を滑らかに変形した時の積分

微分形式ωが体積要素の場合 http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/20131705.html なので多様体の体積というのは と言う事で凄く直感的で良い。向きを変えないという条件の下で次の公式が成り立ちます。 *は引き戻しhttp://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/202…

Note91 微分形式の積分

先日から再開しました「てきとうな独学」ですがテキストを「多様体入門 松島与三 著」に移行。 何故か「現代微分幾何入門 野水克己 著」には多様体上の積分に触れられていない。 入門って書いてあるのに。まぁいいや。 さて、多様体上のn次微分形式θの積分の…

Note90 多様体の向き

途中でイヤになりかけていたので休止中だったのだが気が向いてきたので再開。 「多様体入門 松島与三 著」p233 n次元多様体Mの上で各点でゼロで無いようなn次微分形式が存在するときMを向き付け可能多様体という。この時正の向き、負の向きが定義できて それ…

Note89 Lie群のGenerator(生成子)

Lie群の生成子というのはLie群Gの要素が という解析関数と見なせて生成子とよばれるTとパラメータθを使って と書けるという事でした。もっとも単純なのは電磁ポテンシャルAで出てきたユニタリ群U(1)でしょうか?位相を変えると言う操作はLie群U(1)による変換…

Note88 無限小の座標回転を考えてみる(3)

無限小変換で出てきたTを使って指数関数expを通すと普通の変換が出てきました。 それで先日の逆をやってみると、 θを無限小とするとこの表示は これは成分表示では で無限小変換の式と比較すると となって一致します。まあ、今までの経緯から当然なのだろう…

Note87 無限小の座標回転を考えてみる(2)

先日は3次元の無限小回転でいきなり次のような行列を定義したけど確かに無限小変換になっていた。例えば これと回転がどう結ばれているのか? これが次のように指数関数expで回転マトリクスが生成できてしまう。 これは次のようにして確かめる事が出来ます…

Note86 無限小の座標回転を考えてみる(1)

回転ゼロの座標回転は単位行列なので無限小ωが単位行列からのズレ具合として表す事ができる。無限小の座標回転は と書けます。ωは無限小なので と計算する。もちろんそんな数は存在しないがこのやり方ははよく行われる。とても小さいからその二乗はゼロにな…

Note85 今後の事

「現代微分幾何入門」 野水克己 著をテキストにここまで何とか独学をやってきました。 門外漢であることと周囲に聞ける人も居ないので自分で言うのはおかしいけど良くやったなーと思います。 ただ、理解に誤りがあっても気が付くの時間が掛かったりする事も…

Note84 GPSは凄いのだ

先日、荒い計算だけど時空の湾曲を計算してみた。結果的には1億7千万キロメートルという途方も無い半径で曲がっている。なので曲がっていないといっても良いかもしれない。 と書いたがこの湾曲の効果は実は無視できない。最近の自動車にはカーナビが搭載さ…

Note83 地球表面での時空の湾曲を見積もる

曲率テンソルはベクトルを閉曲線に沿って一周させてやればよい。閉曲線と言っても時空の閉曲線、縦軸が地表に対する鉛直方向、横軸が時間。 gは重力で上空に行くほど弱まるので地表に近いDCの位置ではδgの分だけ異なっている。重力はニュートン力学ではGを…

Note82 固有時間

リーマン多様体の測地線 でtという助変数は言ってみれば時間のようなパラメータで という曲線の微分方程式でした。その意味で が速度を表しています。 ところがローレンツ多様体(M,g)では物理(相対性理論)的な意味で時間tはもはやそういった単独のパラ…

Note81 ローレンツ多様体

一般相対性理論はリーマン幾何学をベースにしたと聞いていた。 なので局所的な幾何学はユークリッド空間なのか? と、そんなはずも無く局所的な幾何学はミンコフスキー空間だったはずです。そんな疑問を一掃するのが今日のローレンツ多様体という事になる。…

Note80 もう少しローレンツ変換と戯れる

先日のローレンツ変換は啓蒙書ではお馴染みの式でした、x軸に対してのみの慣性系です。 もう少し噛み砕いていえばx軸方向に(相対的な)等速直線運動している系の変換関係です。このような互い等速直線運動をしている慣性系をブースト(boost) と呼ぶようで…

Note79 ローレンツ変換

今日は先日の補足です。 ローレンツ変換は意外とポピュラーな座標変換で一般の啓蒙書でもこの変換式は載っています。普通は一般の啓蒙書で数式を載せるのはあまり無いと思います。というのも理系の本は読みたいけど数式が嫌いという人も多いからだと思います…

Note78 ローレンツ幾何学とローレンツ変換

ローレンツ幾何学だがその後の展開というか目論見がいま一つ見えない。なのでどうせならと言う事で若干軌道を変えて見ようと思いました。ローレンツ変換自体は適当に知っている程度なのでその辺を少し復習してみようと思います。 幾何学的には、ミンコフスキ…

Note77 ビアンキの恒等式とアインシュタイン・テンソル

ビアンキの恒等式 を上付き添え字と共変微分添え字に対して各項を個別に縮約して計量テンソルで縮約すると と再び恒等的にゼロになる。 (という事を認めると後は全く単純な計算でアインシュタイン・テンソルとその共変(発散)微分が綺麗にゼロになることが…

Note76 気になった点(リッチ・テンソル)

これは右辺(物質の分布)が左辺(時空のあり方)を決めている。というのは分かる。時空のあり方というのはそれは計量テンソルを決めると言う事に他ならない。そして計量テンソルとそこから決まる曲率テンソルが言ってみれば時空の曲がり方を与える。 つまり…

Note75 アインシュタイン・テンソル (Einstein tensor)

一般座標変換、微分幾何の言葉では微分同相写像という事になる。 次元を4とした時「そういう意味で」勝手な座標変換を行っても (1) 式の形が変わらない(共変(形を変えない式))一般共変性 (2) 計量テンソルの2階微分までを含んで線形的で (3) …

Note74 Ricci(リッチ)テンソルとスカラー曲率

Ricci(リッチ)テンソルの定義は リッチ・テンソルのトレースがスカラー曲率(Scalar curvatutre)として定義されます。 左辺のRは曲率テンソル場と同じ表記なので紛らわしい。「現代微分幾何入門 野水克己 著」p112ではρと表記しているが慣例に従ってRと書…

Note73 Bianchi(ビアンキ)の恒等式

曲率形式のビアンキの恒等式はNote50 ビアンキの恒等式で出てきたが、線形接続の曲率テンソル場、捩率テンソル場に対しても同名の恒等式が存在する。 曲率テンソル場、捩率テンソル場に対しても共変微分が定義されます。 Wを省略すると と書けるので意味を分…

Note72 捩れについて

捩れた空間を無理やり描くとこうなる。 曲率テンソル場は線形接続で定義される。「現代微分幾何入門 野水克己 著」p78。 局所形式では でした。線形接続ではさらにねじれ率(捩率)テンソル(torsion tensor)場が次のように定義されています。 局所形式では…

Note71 自己同型束とゲージ変換(3)

先日はもうゲージ変換についてはもう(一旦)止め、と書いたが一応締めくくりというかまとめておこうと思います。「微分幾何学とゲージ理論」まえがきp2に数学と物理の対応表が出ている。 電磁気の場合、電磁ポテンシャルがゲージポテンシャルに相当するか…

Note70 自己同型束とゲージ変換(2)

先日は自己同型束の切断を取ればその切断はゲージ変換(局所ゲージ変換)になるというイメージを何とか描き出してみたのだが、その一方、「微分幾何学とゲージ理論」p64によれば同伴ファイバー束 を自己同型束と定義している。つまりこの同伴ファイバー束…